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モンテッソーリ教育と一般の幼児期教育はどのように違うのか?

更新日:2021年9月3日

Montessori vs Mainstream

日本の一般的な幼稚園とモンテッソーリスクールはどのように違うかを対比し、私たちのモンテッソーリクラスの様子を紹介して、解説します。なお、この対比は、国際モンテッソーリ協会アメリカ支部(AMIUSA)の記事↓Montessori vs. Mainstream in English を参照しています。


◇上段:一般の幼稚園

<下段:国際基準のモンテッソーリ幼稚園>


◇ 時間で区切られた中で、一斉にカリキュラムに従って学ぶ。

一般の幼稚園では、その日の過ごし方や年間スケジュールが決められていて、担任の教師が、主導してクラス運営がなされ、クラス全員が同じ活動を行う。


<Montessori> ひとり一人が自分のペースで自分の興味に従って学ぶ。

体系だった指導要領はあるが、その日の活動は、子どもが自分で選択する。教師は個別のレッスンプランを用意し、ひとり一人の子どもに対して、適時、新たな活動を提案する。

ハミンモンテッソーリスクールでは身支度をして朝のお手伝いを終えると、自分で活動を選び、好きなだけ取り組むことができます。モンテッソーリ教師はひとり一人を観察し、次のステップを用意します。毎日2~3時間の自由選択活動時間を子どもに与えることがモンテッソーリ教育の大切な要素です。



◇ 子どもは教師から教えられる。

教師が主体で子どもは受け身となることが多い学び。


<Montessori> 目的をもって特別に用意された教具によって自分で学ぶ。

子どもは自分の意志で課題を選択し、教具を使って自立的に学ぶ、教師や仲間とともに主体的に学ぶ。

多くの教具は自立的に取り組めるように作られ、子どもは自分で考え、主体的に学ぶ姿勢が養われる。年少児が年長児から学んだり、子ども同士で学ぶ機会も多い。私たちモンテッソーリ教師は「教える人」だけでなく、「学びを案内する人」という役割がある。



◇学びは教科ごとで、与えられるものは限定的。

絵の時間、音楽の時間や読み書きの時間とそれぞれが独立した活動の時間


<Montessori> 子どもが自分の経験から理解し探求する可能性を促す。

園庭で見つけた生き物を観察したり、絵にする。収穫した野菜をみんなに均等に分ける(算数)、それらを調理して食べるなど教科や時間に縛られない子どもが展開する、探求する機会がある。

動物学を学ぶときには言語や科学など子どもとの対話から興味が広がっていきます。英語は外国のレシピを読み解くときに、算数は調理をするときにも使います。



◇子どもは机に座り、ホワイトボードやワークシートを使って学ぶ。

子どもは教師に向かって学習する。教師から与えられる学び。


<Montessori> 子ども自らの探求と認識が結びつくことで学ぶ。

子どもは自由に動き、自分の興味、好奇心から起こる欲求によって知識や技能を身に付けていく。個別に具体物を使って、自由に動きながら学ぶことは、子どもの学ぶ意欲を活性化します。

私たちは季節を感じる豊かな外部環境を活かして、「学びが生活に結びつく」ということを意識してモンテッソーリ教育を行っています。



◇教師が主導するクラス運営。


<Montessori> 教師と子どもが協働するクラス運営。

教師は子どもの発想や疑問から学びを広げることもある。

私たちのスクールも年長児が絵本を読み聞かせたり、プールを用意したり、子どもが”主役”となるクラス運営をしています。



◇教師が褒めたり、叱ったりすることで達成される動機付け。


<Montessori> 子どもの自己達成感が動機付けとなる。

子どもは自分の内的欲求によって活動を行い、「自分でできた。」という自信や達成感が次の活動へのモチベーションとなる。

文字が読め、短文が読め、本が読めるというように、子どもひとり一人のペースで、次の段階に進みます。例えば、別れる友だちに、手紙を書きたいので、自分で調べるということも

あります。



◇活動は時間で区切られている

みんな一斉に始まり、一斉に終わる。


<Montessori> 存分に取り組める

活動はいつでも始められ、いつ終わってもいい。自分のペースで取り組み、繰り返して行うこともできる。

絵は描きたいときに、いつでも始められ、終わるのも自分で決める。同じ活動を繰り返すこともでき、自分のペースで満足するまで続けられる。



◇年齢ごとのクラス分け


<Montessori> 異年齢混合のクラス

2.5歳から6歳までの縦割りで構成されるクラス

私たちのスクールでも、2歳6ケ月で準備ができた子どもから、いつでも入園でき、就学前の6歳児まで在籍できます。また、一時帰国や里帰り出産で、短期通園する子どももいます。



◇社会性の発達が促されにくい活動や学び。

みんなと同じことをして、教師の言う通りにすることで社会性が育つと考えがちである。


<Montessori> 社会性の発達促す活動や学び。

子どもは、自分と他者や環境を尊重し、クラスの規律を理解し、互いに快適で平和な小さな社会を意識し、自律して行動することで自ら、社会性を身に付けていく。

小さな社会であるクラスでの生活で、自分はどんな貢献ができるかを考える機会が多くあります。年長児はよき手本となり、年長児の振る舞いをみて年少児が学ぶ。保護者や地域の人たちとの関わりから社会性を身に付けていく。規律と調和をクラスの全員で作っています。


以上が、主な違いということですが、一般幼児教育やモンテッソーリ教育でもスクールにより方針が異なると思いますので、実際の子どもの様子や運営を見る必要があると思います。


松本正明(AMI国際モンテッソーリ協会公認3-6教師・チャイルドマインダー)

ハミンモンテッソーリスクール大阪 教師・代表

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